はじめに
アクリル繊維の服で出かけ、家に帰って服を脱ぐとき、パチパチパチパチと静電気がスゴくて、、、。
静電気について調べてみました。
静電気が発生する仕組み
静電気が発生するのは、物質の持つ電子が移動することが原因です。
物質によって、電子の手放しやすさ、受け取りやすさが異なるため、摩擦などにより物質の間を電子が移動します。
物質ごとの、電子の手放しやすさ、受け取りやすさをまとめたのが下の表です。
電子を手放しやすい物質がプラスに帯電しやすい、電子を受け取りやすい物質がマイナスに帯電しやすいということになります。
(今回は、服の素材だけを抜き出してあります)

左にある物質ほどプラスに帯電しやすく、右にいくほどマイナスに帯電しやすくなります。
2つの物質間で摩擦などが生じたとき、電子は、プラスに帯電しやすい物質から、マイナスに帯電しやすい物質へと移動します。
たとえば、綿とアクリルを考えます。
綿は、アクリルより左側にあるので、プラスに帯電します。
逆に、右側にあるアクリルは、マイナスに帯電します。
また、ウールと綿で考えてみます。
ウールは、綿より左側にあるので、プラスに帯電します。
逆に、右側にある綿は、マイナスに帯電します。
このように、綿は相手がアクリルかウールかによって、プラスに帯電したり、マイナスに帯電したりします。プラスになるかマイナスになるかは、相手次第ということです。
静電気の特性
表の中で2つの物質が大きく離れているほど電子の移動が起こりやすくなり、発生する静電気も大きくなるといわれています。
静電気の電圧が3000Vを超えるくらいになると、人は痛みを感じるそうです。
家庭にあるコンセントが100Vなので、大変大きな電圧になりますが、流れる電流がごく微量なので大きな怪我になることはまずありません。
また、湿度も静電気の起こりやすさに関係しています。
湿度が高いと、物質に溜まっている静電気は空気中に放電されやすくなります。
冬の乾燥した時期に静電気が発生しやすいのは、空気中への放電が減ることが原因です。
綿素材の服は静電気が発生しにくいといわれます。
表の真ん中付近ということで大きな静電気が溜まりにくいということもありますが、それ以外にも吸湿性が高く、空気中への放電が促されている可能性もあります。